【第8回・最終回】不支給通知が届いたらどうする?

審査請求の仕組みと「失敗しない」社労士の選び方

全8回にわたりお届けしてきた「障害年金コラム」。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。

最終回となる今回は、私たちが最も避けたい事態、すなわち「不支給(審査落ち)」について、あえて正面から向き合います。

「もし、頑張って書類を出したのにダメだったら?」

「審査に落ちたら、もう二度とチャンスはないの?」

そして、

「自分一人でやるのと、社会保険労務士に頼むのとでは、何が違うの?」

最後は、皆様が悔いのない選択をするために知っておくべき「審査のその後(再審査)」と、私たち専門家(社会保険労務士)の役割について、本音でお話しします。


目次


1⃣ なぜ落ちた?「不支給」になる主な3つの原因

数か月待った挙句、ポストに届いたのが「年金証書」ではなく、薄っぺらい「不支給決定通知書」だったときの絶望感は計り知れません。

なぜ、不支給になってしまうのでしょうか。

要件(納付など)は満たしているのに落ちる場合、原因の多くは以下の3点に集約されます。

診断書の内容が「軽い」

ご本人の自覚症状は重いのに、診断書の記載がそれに見合っていないケースです。(例:本当は寝たきりなのに、診断書には「食事・入浴は自立」と丸がついている。)

これは第5回・第6回でお話しした通り、医師への伝達不足が原因であることがほとんどです。

診断書と申立書の「矛盾」

(例:診断書には「就労可能」とあるのに、申立書で「全く働けません。」と主張している)

書類間の整合性が取れていないと、審査官は「信憑性がない」と判断し、客観的証拠である診断書の方(軽い方)を採用するか、あるいは事実不明確として突き返します。

初診日の証明不足

「この日が初診日です。」という主張を裏付ける証拠が弱く、「初診日が特定できない=どの制度かわからない/納付要件が見られない」として却下されるケースです。

つまり、「病気が軽いから落ちた」のではなく、「書類が不十分だから落ちた」というケースが非常に多いのです。

2⃣ 諦めるのはまだ早い!「審査請求(不服申し立て)」という敗者復活戦

万が一、不支給の通知が届いても、そこで試合終了ではありません。

国に対して「その決定はおかしい! もう一度ちゃんと審査してください。」と文句を言う権利が認められています。

これを「審査請求」と言います。

■ 審査請求のルール

期限: 処分(不支給通知)を知った日の翌日から3か月以内
方法: 文書または口頭で、地方厚生局の「社会保険審査官」に対して申し立てを行う。

さらに、この審査請求でもダメだった(棄却された)場合は、第二審として「再審査請求」を東京の「社会保険審査会」に行うことができます。

このように、二段構えの「敗者復活戦」が用意されています。

3⃣ 「最初の一発」がすべて。審査請求の厳しい現実

「じゃあ、とりあえず自分で出してみて、ダメだったらプロに頼んで審査請求すればいいや。」

そう考える方がいらっしゃいますが、これは非常に危険な賭けです。

なぜなら、「一度出された決定を覆すのは、至難の業」だからです。

■ 審査請求の勝率は低い

統計にもよりますが、審査請求で、国が「ごめん、やっぱり間違っていたよ。支給にするね。」と認める確率は、一般的に10〜20%程度と言われています。

残りの8割以上は「最初の決定通り、不支給で問題なし」として門前払いされます。

■ なぜそんなに厳しいのか?

審査請求で勝つためには、「新しい有力な証拠」を出したり、「国の判断基準の解釈ミス」を論理的に指摘したりする必要があります。

単に「生活が苦しいんです、お願いします。」と情に訴えても、結果は1ミリも変わりません。

だからこそ、障害年金は「最初の1回目(裁定請求)」で確実に合格を勝ち取ることが何より重要なのです。

一度ついた「不支給」の履歴を消すのには、膨大なエネルギーと時間、そして専門知識が必要になります。

4⃣ 自分でやる?社労士に頼む?メリット・デメリット徹底比較

ここで、これまであえて触れてこなかった「自力申請」と「社労士代行」の違いについて、公平な視点で比較してみましょう。

【自分で申請する場合】【社会保険労務士に依頼する場合】
費用ほぼ0円(診断書代や交通費などの実費のみ)報酬が発生(着手金+成功報酬など事務所による)
手間と時間非常に多い。年金事務所へ何度も通い、書類を一から作成。数か月かかることも。ほぼゼロ。書類作成、提出、医師への依頼文作成など全てお任せ可能
精神的負担重い。辛い過去を一人で振り返り、医師に説明し、役所の窓口で待たされるストレス軽い。「味方がいる」安心感。嫌な手続きは全て任せられる。
書類の質不安が残る。初めて書くため、不備や矛盾が生じやすい。高い。認定基準を熟知したプロが、審査に通るための文章を作成する。
受給確率知識がないと、書類不備で落ちるリスクがある。最大限に高まる。専門知識でリスクを潰してから提出する。

■ 結論:コストに見合う価値はあるか?

社会保険労務士に依頼すると、受給決定後に「年金の2か月分」などを成功報酬として支払うのが一般的です。

「安くない金額だ」と感じるかもしれません。

しかし、もしご自分でやって不支給になったり、本当は2級なのに3級になってしまったりしたらどうでしょうか?

障害年金は一度決まると、一生涯で数千万円の受給額になることもあります。

「最初の数か月分の報酬を惜しんで、将来の数千万円を失うリスク」と「報酬を払ってでも、確実に受給権を手にする安心」、

どちらを取るかという投資判断になります。

5⃣ 失敗しない社労士の選び方「専門家なら誰でもいいわけじゃない」

「よし、社労士に頼もう」と思ったとき、どうやって探せばいいのでしょうか。

実は、医者に「眼科」「内科」「外科」があるように、社会保険労務士にも専門分野があります。

企業の給与計算を専門にしている社会保険労務士に障害年金を頼んでも、良い結果は出ません。

以下の4つのポイントで選んでください。

「障害年金専門」または「実績多数」と謳っているか

ホームページを見て、障害年金の専門ページがあるか、解決事例が載っているかを確認してください。

経験値がモノを言う世界です。

「着手金」と「成功報酬」の体系が明確か

「最初に〇万円、成功したら〇%」と料金が明示されている事務所を選びましょう。

「完全成功報酬(着手金0円)」の事務所も増えています。

初期費用を抑えたい場合はおすすめです。

医師への対応をサポートしてくれるか

ただ書類を作るだけでなく、「医師への依頼状(紹介状)」を作ってくれるか、場合によっては病院に同行してくれるか(※同行はオプションの場合あり)。

ここが合否を分けるポイントです。

「話しやすい」か(相性)

これが一番大切です。

あなたの病気の辛さ、生活の恥ずかしい部分も含めて、全てを話す相手です。

「事務的で冷たい」「高圧的だ」と感じる相手には依頼すべきではありません。

まずは「無料相談」を利用して、信頼できる人柄かどうかを確かめてください。

6⃣ 全8回のまとめ:障害年金はあなたの人生を守る権利です

全8回にわたり、障害年金の仕組みから申請テクニックまで解説してきました。

  • 障害年金は「恩恵」ではなく「権利」である。
  • 初診日・納付・認定日の「3つの壁」をクリアする必要がある。
  • うつ病やがん、透析など、対象疾患は幅広い。
  • 「初診日」の証明が最大の難関だが、代替手段はある。
  • 等級は「日常生活能力」で決まる。
  • 医師には「元気なフリ」をせず、メモを渡して実態を伝える。
  • 審査には時間がかかるが、入金時の喜びは大きい。
  • 不支給を避けるためには、最初からプロの手を借りるのが近道

病気やケガで働くことが難しくなったとき、自分を責めてしまう方がたくさんいます。

「私が弱いからだ」

「家族に迷惑をかけている」

と。

でも、どうかご自分を責めないでください。

そのために公的年金制度があるのです。

障害年金を受給することは、決して恥ずかしいことではありません。

あなたが経済的な安心を得て、治療に専念し、あなたらしい生活を取り戻すための「再出発の切符」なのです。

この連載が、申請を迷っているあなたの一歩を踏み出すきっかけになれば、これ以上の喜びはありません。


【最後に:当事務所からのメッセージ】

「自分の場合はどうなるんだろう?」

「初診日の証明ができるか不安だ。」

「とにかく、面倒な手続きを全部任せたい。」

もし今、少しでもそう思われているなら、ぜひ一度、当事務所の「無料個別相談」をご利用ください。

当事務所は障害年金の専門家として、これまで多くの方々の申請をサポートしてきました。

あなたの不安な気持ちに寄り添い、最適なゴール(受給)まで伴走いたします。

相談するだけで、解決の糸口が見つかることもあります。

まずは「お問い合わせ」フォームより、お気軽にご連絡ください。

あなたからのご相談をお待ちしております。