【第7回】書類提出から入金までのロードマップ!

審査期間は? 初回振込はいつ?

「やっと書類を出し終わった! これで一安心…。」

そう思って一息ついたのも束の間、次にやってくるのは「待つことへの不安」です。

「審査にはどれくらい時間がかかるんだろう?」

「もし不備があったらどうしよう。」

「実際に口座にお金が振り込まれるのはいつ?」

障害年金は、申請してすぐに結果が出るものではありません。

そして、結果が出てからお金が振り込まれるまでにも、さらにタイムラグがあります。

この「待ち時間」の目安を知らないと、郵便受けを見るたびに胃が痛くなるような日々を過ごすことになってしまいます。

第7回目は、申請書類を提出してから、実際に年金がお手元に届くまでの「完全ロードマップ」を解説します。

スケジュールの目安を知って、心穏やかに結果を待ちましょう。


目次


1⃣ 提出先はどこ?「年金事務所」と「市役所」の違い

苦労して揃えた書類一式。

これをどこに提出するかご存じでしょうか?

実は、加入している年金制度によって提出先が異なります。

障害「基礎」年金の方(初診日に国民年金加入)お住まいの市区町村役場の「国民年金課」窓口
または、お近くの年金事務所
障害「厚生」年金の方(初診日に厚生年金加入)お近くの年金事務所(全国どこの年金事務所でも可)

【おすすめは断然「年金事務所」】

基礎年金の方も、市役所ではなく年金事務所へ提出することをお勧めします。

市役所の職員は年金制度全般を扱っており、必ずしも障害年金の専門家ではありません。

そのため、書類の形式的なチェックしか行われない場合があります。

一方、年金事務所の相談窓口(要予約)であれば、専門の職員が内容を細かく確認してくれます。

その場での修正指示やアドバイスを受けられるため、提出後の不備による返戻(やり直し)のリスクを減らし、審査がスムーズになる可能性が高まります。

2⃣ 提出時の最重要ルール:「控え」は命綱です

提出窓口に行く前に、絶対にやっていただきたいことがあります。

それは、「提出書類一式のコピー(控え)をとっておくこと」です。

診断書、申立書、戸籍謄本に至るまで、すべてのページのコピーを手元に残してください。

これには2つの重大な理由があります。

審査中に問い合わせが来るから

提出後、日本年金機構から「この期間の就労状況について詳しく教えてください。」といった電話照会が来ることがあります。
その際、手元に書類の控えがないと回答できず、審査が止まってしまいます。

次回の更新時に必要になるから

数年後、「更新」の手続きで再び診断書を提出する際、「前回どんな内容で出したか?」を確認する必要があります。
前回の内容と矛盾しないようにするためです。

原本を提出してしまったら、二度と手元には戻ってきません。

必ずコピーをとり、ファイルに入れて大切に保管してください。

これはあなたの命綱です。

3⃣ 審査期間はどれくらい?「遅い=不支給」ではありません

提出後、書類は東京にある日本年金機構の「障害年金センター」に送られ、そこで一括して審査が行われます。

■ 標準的な審査期間の目安

障害基礎年金: 提出から約2か月〜3か月

障害厚生年金: 提出から約3か月〜4か月 (※遡及請求や、審査が難しい事案の場合は、半年〜1年近くかかることもあります。)

この期間、何の音沙汰もありません。

「今、審査の何割が終わりました。」といった通知も来ません。

ただひたすら待つのみです。

■ 「返戻(へんれい)」に注意

書類に不備や記入漏れがあると、書類一式が一旦戻されることがあります。

これを「返戻」と言います。

修正して再提出するまでの間、審査時計はストップしますので、その分だけ結果が出るのが遅れます。

■ 「連絡が遅い=不合格」ではない!

よく「3か月経っても通知が来ない。落ちたに違いない。」と不安になる方がいますが、審査期間の長さと合否は関係ありません。

むしろ、慎重に審査をしてくれている(=どうにかして支給できないか検討してくれている。)場合もあります。

「便りがないのは良い便り」と思って待ちましょう。

4⃣ 運命の通知!「年金証書」と「不支給通知書」

審査が終わると、ご自宅に日本年金機構から封筒が届きます。

これが運命の分かれ道です

合格の場合:「年金証書」が届く

「年金証書」という、賞状のような厚紙が入っていれば合格(支給決定)です!

そこには、決定された「等級(1級・2級など)」や「年金額」が記載されています。

まずは、ご自身の名前と生年月日、そして等級が希望通りかを確認してください。

✖️不合格の場合:「不支給決定通知書」が届く

ハガキ、または薄い紙で「不支給決定通知書」が届いた場合、残念ながら今回は不合格です。

そこには「障害の状態が認定基準に該当しないため」といった簡単な理由が書かれています。

【まだ諦めないで!】

不支給決定に納得がいかない場合、通知が届いてから3か月以内に「審査請求(不服申し立て)」を行うことができます。

これについては最終回(第8回)で解説します。

5⃣ 年金証書が届いた!…でも、お金はすぐには入りません

「やった!証書が届いたから、明日銀行に行っておろしてこよう!」

残念ながら、証書が届いてもまだ口座にお金は入っていません。

年金証書が届いてから、実際に最初の振込があるまで、さらに「約50日」かかります。

■ 流れのイメージ

  • [1か月目] 書類提出
  • [4か月目] 年金証書が届く(決定)
  • [6か月目] 「年金振込通知書(ハガキ)」が届く
  • [5か月目〜6か月目] 指定口座に振り込み開始

つまり、最初に相談してから実際にお金を手にするまで、トータルで半年以上かかるのが一般的なのです。

この間の生活費については、別途貯金を崩すなり、傷病手当金などを活用するなりの計画が必要です。

6⃣ 初回の振込は「奇数月」になることも?入金の仕組み

通常の年金は、「偶数月の15日」に、前の2か月分が振り込まれます。(例:4月15日に、2月分・3月分が振り込まれる。)

しかし、「初回の振込」だけは例外です。

事務処理の都合上、奇数月(1月、3月、5月…)の15日に振り込まれることがあります。

■ 初回振込のボーナス感

また、初回振込には、これまでの「待っていた期間の分」がまとめて入金されます。

例えば、
・4月に申請受付(ここから支給開始)
・9月に決定
・10月に初回振込

この場合、10月15日には「4月・5月・6月・7月・8月・9月」の半年分が一気に入金されます。

数十万円〜百万円単位の金額になることもあり、ここでようやく経済的な安心感を得ることができます。

2回目以降は、通常の2か月分ずつの支給に戻りますので、使いすぎには注意してくださいね。

7⃣ 一安心の後に忘れてはいけない「更新」の手続き

受給が決まった方に、必ずお伝えしていることがあります。

それは「障害年金には更新がある(場合が多い)」ということです。

年金証書の下の方を見てください。

「次回診断書提出年月」という欄に日付が入っていませんか? (例:令和10年○月)

有期認定1年〜5年ごとに、改めて診断書を提出して審査を受ける必要があります。症状が改善していれば、等級が下がったり、支給停止になったりすることもあります。
永久認定手足の切断など、症状が変わらないもの。「次回診断書提出年月」欄に「*(アスタリスク)」が入っています。この場合、更新手続きはずっと不要です。

精神疾患や内部疾患のほとんどは「有期認定」です。

「一度決まったから一生もらえる」わけではありません。

数年後にはまた診断書を提出する「更新試験」があるということを頭の片隅に置いておいてください。 

そのためにも、受給中も自己判断で治療をやめず、定期的に通院を続け、主治医との関係を良好に保っておくことが大切です。

8⃣ まとめ:果報は寝て待て。提出後は静かに過ごそう

第7回目は、提出後の流れについて解説しました。

  • 提出は年金事務所へ(要予約)。必ず「控え」を取る!
  • 審査には3か月〜半年かかる。「遅い」は悪いことではない。
  • 年金証書が届いてから、さらに約50日後に入金される。
  • 初回振込は数か月分がまとめて入る。
  • 数年後に「更新」があることを忘れない。

書類をポストに入れたら、あるいは窓口に提出したら、もうあなたにできることはありません。

毎日ポストを覗いてヤキモキしても結果は変わりません。

「やるだけのことはやった」と自分を褒めて、治療に専念しながら、のんびりと結果を待ちましょう。